業務自動化を阻む二つの高いハードル
業務自動化、DX化、RPA導入―これらのキーワードが経営会議や部門会議で取り上げられる機会は、近年ますます増えています。しかし、議論は盛り上がっても、具体的な実行に移す際に多くの企業が壁にぶつかります。
業務自動化を推進していくためには、一般的に以下の2つの選択肢が挙げられます。
- 選択肢A:既存の人材を教育し、社内に自動化の知見を蓄積していく
- 選択肢B:新たにエンジニアを採用し、専任の自動化担当者を置く
どちらも一見すると合理的な選択に見えますが、実際に実行に移そうとすると、想像以上に高いハードルが立ちはだかります。まずは、この2つの選択肢がどうして現実的でないのかを具体的に見ていきましょう。
選択肢A:既存人材を教育する―ITリテラシーの壁
「社内の人材を育てる」という発想は、中長期的な視点に立てば最も理想的なアプローチの一つです。しかし、RPAツールの操作やシナリオ作成を社内の既存社員に覚えてもらうことは、思いのほか困難を伴います。
教育が必要となるITリテラシーの幅広さ
RPAツールの操作に必要なスキルは、ツールの操作だけにとどまりません。以下のような幅広い知識が求められます。
- Windows操作の高度な知識(ファイル管理、パス指定、権限設定など)
- Webブラウザの仕組み(HTML、XPath、フレームの概念など)
- ExcelやCSVなどのデータフォーマットの理解
- エラーハンドリングや例外処理の論理的思考
- 複数システム間の連携を設計するシステム思考力
これらをゼロから学び、実務レベルで活用できるようになるには、少なくとも数ヶ月〜半年以上の教育期間が必要です。
既存社員にとっての負担とモチベーション
特に問題となるのは、PC操作が苦手な社員にとってこの教育は苦痛でしかないという現実です。日常業務をこなしながら、全く異なる分野のスキル習得に時間を割くことは、大きな負担となります。
また、教育を受けた社員が中途退職した場合、教育に投じたコストと時間が水の泡となるリスクも存在します。属人化を防ぐための教育制度設計も、社内リソースが限られた中小企業にとっては大きな課題です。
選択肢B:新規エンジニアを雇う―採用難と雇用リスク
「外部の専門家を社内に迎え入れよう」という選択肢も、一見魅力的に見えます。しかし、この道も容易なものではありません。
エンジニア不足という社会問題
日本のIT業界におけるエンジニア不足は、もはや個別企業の課題を超えた社会問題となっています。経済産業省の調査では、2030年には最大79万人のIT人材が不足するという試算も出ています。
このような市場環境の中で、RPAツールに精通した人材を採用することは、予算面・タイミング面で大きな困難を伴います。
日本の雇用体系におけるリスク
仮に採用に成功したとしても、雇い続けることがベースとなる日本の雇用体系は、RPA導入という一時的・限定的なニーズに対して大きなリスクを抱えます。
- RPA導入後、エンジニアの継続的な雇用コストが発生する
- 業務量の波があるため、繁忙期と閑散期で人員の有効活用が難しい
- 採用したエンジニアがRPAツールの知見だけでなく、社内の業務知識も習得するまでに時間がかかる
- 退職時の業務引き継ぎが困難になり、再度の属人化リスクが生じる
エンジニア派遣の実情
エンジニア派遣という選択肢も存在しますが、派遣業界の現状は必ずしも理想とは言えません。未経験の高齢の方が増加し、派遣先に出向くものの、期待されるスキルレベルを満たさないケースも少なくありません。
結果として、教育コストを追加で負担しながら、品質に不安のあるリソースを管理するという、二重の負担を抱えることになりかねません。
第三の選択肢:外注―低リスクで高品質な業務自動化
ここまで、既存人材の教育と新規エンジニアの雇用という2つの選択肢が抱える現実的な課題を見てきました。では、どうすれば業務自動化を現実的に推進できるのでしょうか。
答えは、「外注」という第三の選択肢です。
外注のメリット:早期に高品質なシステムを構築
外注であれば、開発費用は一見高く感じられるかもしれませんが、以下の点で総合的に見れば非常にコスト効率に優れています。
- 早期リリース:専門家が対応するため、社内教育期間を待たずに数週間でシナリオが完成する
- 高品質な設計:経験豊富なエンジニアが設計するため、拡張性・保守性を考慮した堅牢なシナリオが構築される
- 雇用リスクの回避:プロジェクト単位・業務単位での依頼が可能であり、継続的な人件費負担が発生しない
- 最新ノウハウの活用:社内では把握しきれない最新のベストプラクティスや回避すべき失敗パターンを反映できる
社内リソースの有効活用
外注により業務自動化を推進することで、社内の人材は単純作業から解放され、より付加価値の高い業務に集中できます。これは、教育や採用とは異なる形での「人材投資」になります。
なぜRPAツールの外注は特にメリットが大きいのか
外注はあらゆるシステム開発で有効な選択肢ですが、RPAツールの外注は特にメリットが大きい分野です。その理由を詳しく解説します。
通常のシステム開発とRPA外注の決定的な違い
通常のシステム開発で外注を利用した場合、多くのケースで「ベンダー依存」という課題が生じます。
- 独自のプログラミング言語やフレームワークで構築されたシステムは、他社での引き継ぎが困難
- 開発会社が事業縮小や撤退した場合、システムの保守・改修ができなくなる
- ソースコードの知的財産権の所在が不明確になり、トラブルの原因となる
これに対し、RPAツールの外注は根本的にこの構造が異なります。
RPAツールのサポート体制が後方支援となる
RPAツールは、開発会社が作成したシナリオであっても、ツールベンダーが直接的にサポート対象となります。つまり、もし開発会社がサポートできなくなったとしても、RPAツールのベンダー(キーエンスなど)が各々サポートサービスを提供しているため、解決・管理が容易になります。
この点は、通常のシステム開発外注とは全く異なる、RPA特有の大きなアドバンテージです。
シナリオの可視性と引き継ぎの容易さ
RKシリーズのような直感的なGUIベースのRPAツールであれば、シナリオのフローは視覚的に理解できる形で保存されます。開発会社が作成したシナリオであっても、別の業者や社内担当者が内容を把握し、修正・改修を行うことが比較的容易です。
RKシリーズならではの安心感
RPAツールの中でも、特にキーエンスのRKシリーズはサポート体制が充実しており、外注を選択する際の不安を大きく軽減してくれます。
業界屈指のサポート体制
キーエンスは、導入前のコンサルティングから導入後のテクニカルサポートまで、一貫した支援体制を構築しています。電話サポート、オンラインサポート、訪問サポートなど、多様なサポートチャネルが用意されており、緊急時にも迅速な対応が期待できます。
技術サポート部出身者の目線から
私自身がキーエンスの技術サポート部に所属していた経験から言えば、そのサポートの充実度は実際に体感できるレベルのものです。シナリオ作成で行き詰まった際のヒアリング対応から、複雑なトラブルシューティングまで、質の高い支援が提供されています。
このようなサポート体制が存在するため、外注先の開発会社とキーエンスのサポートを組み合わせることで、非常に堅牢な業務自動化体制を構築できます。
外注先の選び方:失敗しない3つのポイント
外注のメリットを最大限に活かすためには、適切な外注先を選ぶことが重要です。以下の3つのポイントを確認しましょう。
1. RKシリーズの実績とスキル証明
一般的なITスキルだけでなく、RKシリーズ特有の機能(画像認識、要素認識、OCR連携、Excel自動化など)に関して、豊富な実績と深い知見を持っているかを確認してください。
2. 運用保守までのトータル対応力
シナリオ作成だけでなく、運用開始後の保守・改修・障害対応まで一貫して対応できるかが重要です。納品後のサポート体制を事前に確認しましょう。
3. 業務理解力とヒアリング力
優秀な技術スキルだけでなく、お客様の業務フローを正確に理解し、自動化すべきポイントとそうでないポイントを見極める能力も重要です。初回のヒアリングでその辺りの感覚が伝わるかを確認してください。
まとめ
業務自動化を推進する際、既存人材の教育と新規エンジニアの雇用という2つの選択肢は、いずれも高いハードルとリスクを伴います。
- 既存人材の教育:ITリテラシーの向上に長期間を要し、社員の負担とモチベーションの低下が懸念される
- 新規エンジニアの雇用:エンジニア不足の市場環境と日本の雇用体系により、採用難・継続的コスト・リスクが生じる
対照的に、外注という第三の選択肢は、早期に高品質な自動化を実現し、雇用リスクを回避できる有効なアプローチです。特にRPAツールの外注は、ベンダー依存のリスクが低く、ツールベンダーのサポート体制と組み合わせることで安心して導入できます。
もし、RKシリーズを導入したものの、シナリオ開発が進んでいない、社内リソースで対応しきれない―といった課題を抱えていましたら、ぜひお気軽にRKパートナーズまでお声がけください。貴社の業務フローに最適な自動化ソリューションを提案させていただきます。
